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2009年01月27日

深海の底から

この歳まで年齢を重ねて、不幸な出来事もたくさん経験して

仕事もそれなりにやってきて

人の痛みも苦しみも淋しさも悲しさも、平凡に生きる事が如何に難しいかも

自分のこの身で受け止めつつ、逆らいつつ

あたしは大人になった。

ある日、自分が十分満足する生活に見離された時

人生が崩れていく瞬間の音を骨伝道のように全身に聴いて

深い、深い、もう浮き上がるなんて予想も出来ない、

しちゃいけない様な場所からも更に沈み

遠くに遠くに見える陽の光さえ、やがては見えなくなった。

息も出来ない真っ暗闇の深海の中でもがいたけど

やっぱり、浮き上がれず更に深海へと堕ちていった。

人生は人の持つ生きる力を試すかのように

平凡な平和な穏やかな世界から、突然深海へと突き落とす。

力あるものは、抜け出し再びの平凡や平和や穏やかな世界へと戻り

その事が、当たり前でないという事実に気付く

力なきものは、抜け出す事を諦め更なる深海へ自ら堕ちて行く

人を呪い人生を呪い、自分の持つ力に見切りをつける。

あたしは、人を呪えず人生も呪えず、自分の持つ力を本来の力をどこかで信じていたかった

もがいても、もがいても、更に堕ちると気付いた日

その深い海に身を任せてみた。

それは決して諦めではなくて、逆らうことは事実を受け止めていないと知ったから

この身体の中に、僅かな空気が残っているとしたら生きる力が残っているのなら

身を委ねていればまたあの世界に戻れるかも知れない

今まで生きて来て身に付けた力が本物だったならきっと戻れる

もし、カタチだけの偽者だったらその事実を受け止めよう

そう思ったら、自分が『人』として生きたことが次々蘇った

大火事に巻き込まれたこと、大震災のこと、裁判のこと

父親の癌、近親者の死、愛する者の裏切りや、他者を利用する人との対峙

理不尽に泣く弱い者を自分なりの力で守り、強い者と闘った

単純にまっすぐに頑張る自分が好きで、その場を和ませている事が

自分にとって唯一の誇りだった。

それだけが、あたしの力だった。

相手の笑顔が幸せだった。

人生にその力を試されるまでもなく、そうやって生きるには

持ち得ない力も必要で、ある意味とても不器用な生き方で

体中に傷を作り、心の中までもとうとうボロボロになった

だけど、それが自分の生き方だと自分だけは信じていた

そう生きる事で、誰かが笑ってくれるなら

涙する人から笑顔を引き出せたなら

それがまた自分の力にもなり、間違っていないという確信に思えた。

そんな力がまだ自分の中で生きているなら

あたしは、絶対に元の世界に戻れるはず・・・

もう見えなくなった陽の光を無理やりに探すのを止め

ゆらゆら漂う深海の底の底で、瞳を閉じていたら

その深海の底から湧き上がる、とても暖かいものに包まれて

あたしは、浮上を始めている

遠すぎて、深すぎて、全く見えなかった陽の光も

まだぼんやりだけれど、あたしを包んでくれているのが瞳を閉じたままでさえ感じる

底から湧き上がる暖かいそれは、小さな、でもたくさんの空気の粒で

あたしの呼吸を助けてくれている。

人生を呪わず諦めず、裏切りを赦し、生きる力をどこかで信じていた自分だから

小さな空気の一粒や、深海から湧き上がるそれの暖かさに心からの感謝が出来る

さぁ、この暖かく呼吸の楽なこの浮力に身を任せ

ゆっくり、ゆっくり、元の世界へと帰ろう

瞳を開いた瞬間に見える元の世界はきっと、今まで以上の色彩で

あたしを包んでくれているはず。
タグ: うつ病
posted by りん at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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